完全失踪日記

Escape from another.

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

自分は探さない。メタ旅を敢行する話

旅は心地いい。 無職になれば、頻繁に旅をすると思っていた。 実際は、そうではなかった。 旅に行きたいと思わなくなったのだ。 旅が心地よく感じていた理由。 それは、旅が逃亡だったからだ。 仕事、家庭、しがらみ、からの逃亡。 逃亡中の解放感が快楽をも…

これは仮面ではない。岡本太郎美術館での話

これは、岡本太郎美術館に展示されているが、太郎の作品ではない。 太郎が収集した、アフリカ原住民の仮面である。 この仮面は、得体の逸れない「力」を発している。 「力」の本体は、恐怖だ。 人間が本能的に忌み嫌う、形状、色、をしている。 見るほどに恐…

「はやく人生終わらないかな」。タワマンに住む、勝組の笑えない話

彼は、40歳。 共働きの奥さんと、子供が二人。 2年前にタワマンを購入した。 1年前、二人目の子供が生まれた時、三カ月の育休を取得。 いわゆる、イクメンである。 順調な人生を歩む彼だが、いつも浮かない。 彼は、退職した私にぼやいた。 「はやく人生終…

「十二単をまとう女」を眺めながら、江戸川乱歩賞「ノアールをまとう女」を読んだ話

江戸川乱歩賞受賞作は、小説としての完成度が高く、期待して読んだ。 「ノワール」は、フランス語で「黒 noir」。 そして、「まとう」は、「着る」ではない。 「まとわりつく」により近い意味である。 つまり、「黒がまとわりつく女」ということになる。 「…

勉強とは自己破壊である。千葉雅也「勉強の哲学」を読んだ話

「勉強」とは「知る」ことである。 「知る」ことは、自己の「殻」を破壊する。 だが、「殻」の外には、また「殻」があることを「知っている」。 この状態を「勉強」と称している。 「知る」ことは楽しい。 ワクワクする。 知った瞬間、新たな世界が開かれ、…

恐怖との遭遇。東京国立博物館での話。

東京国立博物館へ行った。 此処は、見どころが満載である。 これは、東洋館の片隅に置かれている。 中国・殷時代(紀元前12世紀頃)、王の墓から出土した。 「石彫怪獣」と書かれている。 何かの儀式に使われていたのでは、と推測されている。 奇妙な物体だ…

私的な観劇作法。演劇「小刻みに 戸惑う 神様」を観た話。

観劇の醍醐味は小劇場にある。 舞台と客席とが近接し、境界が曖昧だからだ。 多くの小劇場は自由席で、先着順に席を選ぶことができる。 好みの席を確保するため、開演1時間前には劇場へ行くことにしている。 そして、最前列の右端か左端を選ぶ。 開演まで3…

心の問題? 季節の変化についてはゆけない話

突然、秋になった。 体がだるい。 急な気温の変化に体がついていけない。 体がだるいと、心もだるくなる。 つまり、体も心もだるいのだ。 今日は予定を変更し、一日家でだらだら過ごすことに。 無理をする必要は全くない。 その日気分で、だらだらと過ごせる…

契約回避の最善策は何か? NHKがやってきた話。

NHKの訪問を受けた。 私は受信契約をしていない。 彼らは、NHKを名乗らない場合がある。 今日の訪問もそうだった。 呼び鈴を鳴らし、ドアを叩く。 魚眼レンズを覗いて、怪しいと思ったので、無視していた。 契約を回避する一番の方法は、居留守である。 玄関…

嵐の後には静かで怖い物語。「むらさきのスカートの女」を読んだ話

芥川賞「むらさきのスカートの女」を読んだ。 「言葉を紡ぐ」という表現がある。 一語一語、丹念に紡いである。 完成したのは、ムラサキとキイロの織物。 ムラサキの非日常とキイロい日常。 ムラサキの狂気とキイロい正気。 最後に、ムラサキとキイロは交差…

「天気の子」の呪い。大型台風に備えてみた話。

美しい天気図だ。 綺麗に密な同心円が、何かを期待させる。 台風に備えてみた。 ①食料の備蓄 雨の中買い物に行くのが嫌なので、2日分の食料を買った。 ②図書館で本を借りた 雨の日は、本を読むに限る。 ③洗濯 暫く雨なので、早めにやっておいた。 以上。 つ…

義務と義理と生きがい。介護離職した知人から学んだ話

高齢の両親を介護するため退職した知人に会った。 退職後1年半。 介護は、食事の支度、用足し介助、通院など。 一日中仕事がある。働いたほうが楽だろう。 後何年この生活が続くか、そればかり考えてしまう、そうだ。 義務感だけではできないな、と思う。 …

象の残像。象がいなくなった動物園の話。

この動物園には、お気に入りの場所がある。 そこは、象がいなくなった象舎。 象は3年程前に死んだ。 象舎は象が不在のまま放置されている。 象舎の一角には、象の写真、象への感謝の言葉と品々が置かれる。 象舎の前を通る人の多くは、その場所へ行く。 象…

時間と金と矛盾と。「鎖国」6カ月目に思う話。

無職になり6が月が経過した。 今、思うことが3つ。 初めに、「時間は最も貴重」。 生きている間にやりたいと思っていたことが出来るようになった。 それは、この世界の全てを知ることである。 人類の英知と、世界をこの目で見て感じることである。 これに…

この宇宙はシュミレーションである。プレイステーション3を買った話。

この世界はシュミレーションである、という説がある。 この宇宙は、神のごとき存在がプレイするシュミレーションゲームである。 「SIM UNIVERSE」 宇宙誕生、生命進化を眺めるのは楽しかろうが、人間の世紀はどうだ。 そろそろ、飽きてきたのではないか。 私…