自分は探さない。メタ旅を敢行する話
旅は心地いい。
無職になれば、頻繁に旅をすると思っていた。
実際は、そうではなかった。
旅に行きたいと思わなくなったのだ。
旅が心地よく感じていた理由。
それは、旅が逃亡だったからだ。
仕事、家庭、しがらみ、からの逃亡。
逃亡中の解放感が快楽をもたらしていた。
今はどうだろう。
人の世から距離を置いた隠遁生活を送っている。
これはこれで、十分に心地いい。
心地いいから、そこから出ていかない。
この心地よさで十分かどうか?
此処でない何処かで眺める。
自分は探さない、自分を眺めるための旅なのだ。
ただ、自分を俯瞰するための旅。
これは、メタ旅である。