江戸川乱歩賞受賞作は、小説としての完成度が高く、期待して読んだ。
「ノワール」は、フランス語で「黒 noir」。
そして、「まとう」は、「着る」ではない。
「まとわりつく」により近い意味である。
つまり、「黒がまとわりつく女」ということになる。
「即位礼正殿の儀」では、曇り空に十二単が映えていた。
これから彼女は、十二単をまとい、まとい続け、まとうことになるのだ。
巻末には、歴代の受賞作が列挙され、懐かしく眺めた。
もう一度読んでみたい作品がある。どれも、昭和の作品。
栗本 薫「僕らの時代」
岡島二人「麦茶色のパステル」
東野圭吾「放課後」
令和が始まった今日、再読し、何を感じるのか?何を想うか?
自分で自分に問う日々が続く。