「はやく人生終わらないかな」。タワマンに住む、勝組の笑えない話
彼は、40歳。
共働きの奥さんと、子供が二人。
2年前にタワマンを購入した。
1年前、二人目の子供が生まれた時、三カ月の育休を取得。
いわゆる、イクメンである。
順調な人生を歩む彼だが、いつも浮かない。
彼は、退職した私にぼやいた。
「はやく人生終わらないかな」と。
その意味を考える。
彼は、優秀だ。
自分の人生に起こること、起こりうることが見えるのだ。
「全てが、自分の予測の範囲に収まる」と思っている。
そして、それは正しいだろう。
これから、マンションのローンや子供たちのために働く。
そして、消耗して死んでいくだけの人生。
だから、彼は、人生にうんざりしているのだ。
所詮、人生などこんなものかと、思うのだ。
そして、「はやく人生終わらないかな」となるのは必然だ。
誰も声に出さないだけ。
声にしたら何かが終わる。
彼は、スマホゲームに興じる。
こことは違う世界で生きる。