完全失踪日記

Escape from another.

2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

貧困と貧乏の境界。 貧しさとは戦わない話

子供の頃、私の家に電話がなかった。 父は、なまけもので腕の悪い職人だった。 あまり働かないので収入も悪い。働かず、パチンコばかりしていた。 自ずと、家庭は貧しい。 貧乏と貧困の境界線はあるのか? あるとすれば、それは何か? 例えば、健康で文化的…

正月は通過点ですらない。それでも新年はやってくる話。

正月の準備をした。 100均で買った餅、甘酒。 以上だ。 これは今年に限ったことではない。 毎年、この程度だ。 正月ぐらい贅沢を、とか、全くない。 働いていた時は、「今年もよく耐えたな」と自分に感謝したが、 今年は、それもない。 淡々と過ぎるのを待つ…

冬を休む。 常夏のマレーシア旅を計画する話

寒い。 冬を休もう。 延期していたマレーシア旅を予約する。 春節(1月25日)前後は避けた方が無難だろう。 ホテルも飛行機も高くなる。 中国人が大挙してやってくる。 1月中旬の10日間としよう。 熱帯のメトロポリタンでだらだら過ごそう。 何も決めない。

死ぬのはいいが・・・。 共済の医療保険に加入した話

医療保険に加入した。 在職中に加入していた保険が10月に失効。 無保険状態だった。 新規加入に当たり考慮したこと。 ①掛け金、2000円/月程度 ②病気・事故の補償重視 ③死亡保険は不要 ⇧これらは、働いていた時と同じ考え方。 国民共済、コープ共済、都道府県…

思い出少ないイブを思う。 私のクリスマスの話。

子供の頃、クリスマスプレゼントをもらった思い出はない。 いや、幼稚園でもらったことは憶えている。 サンタがいる、と信じたことはない。 だから、サンタにお願いすることはなかった。 「サンタを信じていた」、という人の話を聞くと、 「嘘だろう」と、心…

何だか解らないが気持ちの悪いもの。岡本太郎美術館での話

これは岡本太郎の作品ではない。 それは、見ればわかる。 奇異な像が二つあった。 別の作家の作品である。 一体目。⇧ 見るほどに薄気味悪い。いびつ、である。 部分部分を見れば人間だが、全体では、人間の様で人間ではないからだ。 感じる違和感が恐れに達…

今さら、人・神・自然 ? 東京国立博物館での話

数千年も受継がれし造形物は、どれも似ている。 対象が、人自身、神を模したもの、自然を写したもの、であっても。 時を超えるうる共通の理由がある。 人・神・自然の三分には違和感を感じた。 三者の境界は不明瞭だ。 今や、 人=Big data 神=Google 自然…

無制限に脱力する系。 ワワフラミンゴ「くも行き」を観た話

超脱力系劇団・ワワフラミンゴの「くも行き」を観た。 どこまでもゆるい役者の所作。 台詞で構成された演劇だが、脈絡はない。 会話に意味はない、遊びですらない。 始まりも、終わりも、明確な何かも、ない。 そして、わざとらしさや嘘がない。 どこまでが…

それは、生きていないような心地。 ストレス極小世界での話

寒いとよく眠れる。 そして、寝たいだけ寝ている。 二度寝の幸福は、仕事を辞めても変わらない。 今は、三度寝も当たり前。 目覚めても、布団からなかなか出ない。 出る必要もない。 これが、一つの究極の幸せに違いない、と思う。 今、生涯で最もストレスの…

「秒速5センチメートル」の聖地を訪ねる。 岩舟駅での話

新海誠「秒速5センチメートル」の聖地に出かけた。 岩舟駅である。 今では無人駅となっていた。 時間は流れている。 この映画を観るたび、置き去りにしてきた事々を思いだす。 だから、何度も見てしまう。 そして、何度も思い起こす。 忘れてしまえば、それ…

今日、私の老後は始まる。個人年金の受給を開始した話。

今日から個人年金の受給が始まった。 つまりは、老後となったわけだ。 私は今54歳だ。 公的年金受給開始まで11年。 長生きする自信がないので、少し前倒しで受給するつもりだ。 いや、違う。 長生きしたくもないので、額は下がっても早めに受給開始する。 今…

昭和は遠くなりにけり。映画「HUMAN LOST人間失格」を観た話

昭和111年。 今から17年後、終わらない昭和の物語。 人が、健康長寿と引換えに、尊厳を失った社会。 人間が家畜として生き長らえることの是非を問う。 「人間は恋と革命のために生まれてきたのだ。」 太宰治「斜陽」での一文。 確かに、恋と革命の物語、であ…

言語表現を超えるための一つの試み。カミーユ・アンロ「蛇を踏む」での話

現代美術は多様だ。 作品を前にし、その意味を考えることは無意味だ。 感じるしかない。 この作品は、ニーチェ「道徳の系譜」をイメージして創られている。 テクストを生け花(イメージ)に変換しているのだ。 言語表現の限界を超える一つの試みだろう。 人…

過去が崩壊していく。記憶をめぐる旅の話

記憶をめぐる旅をした。 此処は、伊豆半島の温泉リゾート。 25年前に泊まったホテルの現在の姿。 廃墟である。 我が目を疑うが、すぐに受け止める。 間違いない、と。 人の造りし物は壊れ、人の記憶は薄れゆく。 どちらも、跡形もなく消えていく。 消えゆく…

将軍の孤独を味わう。 東京湾で屋形船に乗った話

夕方、屋形船に乗った。 東京湾40分クルーズ。 竹芝付近から出帆し、晴美ふ頭、オリンピック選手村、レインボーブリッジ、お台場を経由した。 将軍コース。1120円。 乗船する時、係員に言われた。 「お一人だけですよ」と。 そう、客は私一人だった。 色々な…

神との対話は大変だ。大嘗祭の宮を観た話

此処は、何もない広場だった。 家康も、想像しえない景色だろう。 建物は質素である。 おそらく、儀式にこのシンメトリー構造物が必要なのだろう。 神との対話は、難儀だ。 映画「未知との遭遇」を思い出す。 哲学者ロラン・バルトが、皇居をこう言出した。 …