恐怖との遭遇。東京国立博物館での話。
東京国立博物館へ行った。
此処は、見どころが満載である。
これは、東洋館の片隅に置かれている。
中国・殷時代(紀元前12世紀頃)、王の墓から出土した。
「石彫怪獣」と書かれている。
何かの儀式に使われていたのでは、と推測されている。
奇妙な物体だ。
怪獣、と言われれば、そう見える。
左右対称なので、明らかに何かを意図して形作られている。
しかし、視る角度によって何にでも見えそうだ。
得体が知れない。
恐怖や畏敬を感じてしまう不思議な物体だ。
そう感じると、人の顔に見える。
髑髏の仮面である。
それは、私の心を映した鏡だろう。