思い出少ないイブを思う。 私のクリスマスの話。
子供の頃、クリスマスプレゼントをもらった思い出はない。
いや、幼稚園でもらったことは憶えている。
サンタがいる、と信じたことはない。
だから、サンタにお願いすることはなかった。
「サンタを信じていた」、という人の話を聞くと、
「嘘だろう」と、心が叫ぶ。
クリスマスケーキを食べたことはあるが、家族団欒の思い出はない。
かといって、悲しい思いをした憶えはない。
他の家庭と我が家を比べることがなかったからだ、と思う。
いや、悲しい思いをなかったことにしたのかもしれない。
これが、クリスマスにまつわる記憶だ。
今も、クリスマスに特別な思いはない。
そして、そのことが悲しくもない。
羨ましいとも思わない。
嫉妬する程、近くにいないのだ。
遠くの別世界のことなど気にならない。
でも、毎年ケーキを買う。
今年も買ってみた。
このケーキが、私が思うクリスマスの姿だ。