会社で知り合った人とは友達になれない。最後の送別会での話
仕事をやめて二カ月になるが、最後の送別会があった。
ありがたいことだ。
会社にはブランチが沢山あって、私が以前属していたブランチの人たちが開いてくれた。彼らとは若いころから一緒に飲みに行ったり遊んだりしたが、友達ではない。
私は、会社内での知人と友人になることは難しいと思っている。
それは、結局、それは利害でつながっているからだ。
同じ会社で長く勤めていると、つまり、特定少数の集団の中で長く生きていると、集団内の人との間に見えない貸し借りが蓄積してくる。
しがらみに絡まれて生きることになる。
これが年々つらくなってくる。
人間は社会的な生きもので、群れで生きていくことで安心が得られるよう仕組まれている。群れは、集団内の個に対して群れのために貢献することを求め、貢献度に見合った対価を支払う。
この関係が、私にとっては大変な重荷となっていった。
そして、会社を辞めた。
集団から解放された私は、物凄い優越感をもって皆さんとお別れした。
みなさん、さようなら。
さようなら、集団。
私は、独りで生きてみます、と。
むこう側からは、はぐれた子羊に映っているだろうが。