月曜日の朝、残酷なシュミレーションの話
無職になって一年7ヶ月が経過した。
無職がすばらしいのは、朝決まった時間に起きなくてもいいことだ。
寝たいときに寝て、起きたいときに起きればよい。
目覚ましが必要ない生活だ。
そのことが私を幸せにさせる。
今日は8時半頃に目覚めた。
おもむろに立ち上がり、半覚醒のまま、8階の窓から景色をぼんやりと眺める。
視界には、学校、コンビニ、幹線道路、駐車場がある。
この時間は、50人くらいの人々が同時に見える。
この景色、SIM TOWER というシュミレーションゲームを思い出す。
皆、ごちゃごちゃと忙しそうだ。
私はそこからは切り離されている。
目の前の残酷な世界は、私の現実ではない。
少しだけ寂しさと懐かしさを感じるが、そこには戻らない。
戻るのは、眠りの中である。
寝たいだけ眠れるぼんやりした世界へと戻る。
既に、私の現実は、私自身で触れることはできない。
この逡巡こそが、月曜の朝の至福。