「私」は存在するのか? マルクス・ガブリエル「「私」は脳ではない」を読んだ話
脳神経科学は、意識を物質に完全還元できると想定する。
つまり、意識は脳内の物理化学反応である、と考えている。
ガブリエルは、この考えを神経中心主義とし、本書で激しく非難する。
人間の尊厳を著しく侵害する思想だと。
ガブリエルは、人間の自由意志(「私」という意識)の存在を信じているのだ。
だから、「私」は脳(物質)ではない、のテーゼを掲げる。
「私という意識」とは何か?
ここが、科学と哲学の最終対決の場である。