今日もやることないなんて、何と素晴らしい。(失踪196日目)
目が覚めても、時計も見ず、またうつらうつらする。
寝るのにも飽いて、だらりと起き上がり、トイレに行く。
ぬるいココアを飲む。朝の糖分補給がゆるやかな目覚めを促す。
今日も、やれねばならぬ事は何一つない。
「やることない」なんて、なんと素晴らしいことか。
自分以外の何者かに感謝したくなる。
「仕事辞めてなにするんだ?」
退職前によく聞かれた質問だ。
「何もしない」
そう、答えてもだれも信じなかった。
「「何もしない」を続けるなんて不可能だよ。」
「いや、できると思うよ。そして、やればどうなるかが知りたいんだ。」
「何もしない」を続ける。
それは、ゆっくりとどこかへ落ちていく感覚。
落下速度を感じない程の重力に支配された感覚。
ほぼ宙に浮いているといっていい。
ふわふわと空を漂う。
外は強風だが私の意識は無風。
この感覚が好きだ。