富が集積する場所を眺めるのが好きだ。
それは美術館で絵を眺めるのに似ている。
東京は渋谷区松涛。
田園調布という選択もあろうが、やはり山の手線の内側がいい。
大阪は、どこにあたるのか?
今回は、地価がお高い天王寺区真法院町を選んだ。
勝敗は、松涛の勝ち。
残念だが桁がちがう。
確かに、真法院にも富はあった。
ただ、近寄りがたい静謐さが十分でない。
松涛を歩くと、自分が恥ずかしく早足になる。
高い塀と巨大な門扉の豪邸群に囲まれると、自分が囚人になったかのようだ。
ここから早く出してくれ。
フォードには乗れるが、フェラーリには乗れない。