夏の終わり、地獄のはじまり。(失踪101日目)
八月が終る。
夏の終わりは、いくつになっても哀しい。
夏の終わりの地獄の記憶が蘇る。
子供の頃、私はいじめの対象だった。
いじめる側ではなく、いじめられる側の子供だった。
だから、学校が嫌いだった。
目立たぬよう、ひっそりと生きていた。
今になって振り返ると、虐められる主な原因は「貧しかったから」、だと思う。
家もボロいし。おもちゃも持ってない。
貧乏のくせに、とからかわれていた。
それを跳ね返す力はなかった。
学校へ行かない夏休みは大好きだった。
虐められずにすむ。
休み中は毎日無料プールに行く。
小さな石をプールに落として、それが底に着くまでにキャッチする。
石の形が変わると水中での動きが変化し、あきが来ない。
それを繰り返す。
その繰り返しも永遠には続かない。
8月20日を過ぎると気持ちがふさいでくる。
まもなく、また地獄が始まる。
世界の終焉を願ったことさえある。
夏の終わりには、その嫌な感覚が今も蘇る。
夏よ早く終れ。
わずかな夏の断片をも残さずに。。