完全失踪日記

Escape from another.

30年の遺恨。中井英夫「虚無への供物」をやっと読めた話

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高校生の頃、ミステリー小説に凝っていた。

狂っていた、といってもいい。

風呂の中にさえ、本を持ち込んでいた。

 

その趣向は、大学に行っても暫くは続いたが、

読書の幅は多岐にわたるようになり、ミステリーから距離を置くようになった。

 

当時、日本ミステリーの奇書と呼ばれる、3つの本があった。

夢野久作ドグラ・マグラ

小栗虫太郎黒死館殺人事件

中井英夫「虚無への供物」

 

①は既読だったが、②③は積読状態だった。

特別な本は特別な時に読もう、そう思っていたが、結局読まず仕舞い。

本もどこかにいった。

 

以来、30年。

やっと「虚無への供物」を読んだ。

今も、この本は奇書であろう。

 

今日は特別な日でも何でない。