北区・王子に劇場がたくさんある理由を飛鳥山博物館で考えた話
王子駅周辺には劇場がいくつかあり、よく演劇を見に行く。
また、9月に北とぴあ演劇祭があって、北区の中高生も参加しする市民参加型のイベントとなっている。
東京演劇のメッカは、下北沢、池袋、だが、王子も演劇拠点の一つだと思う。
どうして、北区王子に劇場が多いのか?
公園の中には、飛鳥山博物館があり、区が単独で博物館を持つのは珍しい。
この博物館で王子の歴史を勉強してみた。
同じく、花見の名所であった上野の寛永寺などと異なり、「歌舞音曲」や「仮装」が容認されていたため、江戸っ子たちは様々な趣向を凝らして花見を楽しむことができた。
つまり、王子では公然とおふざけができた、ということなのでしょう。
自由な風習や慣習は受け継がれやすい。
飛鳥山は東京低地との境界、武蔵野台地の北端に位置しています。
ちょうど、山手線を境に、北東側が東京低地、南西側(飛鳥山側)が武蔵野大地です。
10,000年前の縄文時代。東京低地側は海でした。
飛鳥山側には、貝塚がたくさん見つかっていて、入り江に面した穏やかな地域でした。
陸と水(海や川)の境は、生と死、聖と俗とを分ける神聖な地として、神社や仏閣が建てられています。神社の境内には能舞台という劇場装置が完備されていました。
聖なる場所で、神々に捧げる儀式としての劇。
今、王子の劇場のほとんどが東京低地側にあります。
もともとは海に沈んでいた聖なる領域にある劇場。